頸部ジストニアや痙性斜頸で悩んでいる方の中には、多くの不安を抱えている方も少なくありません。
「首が勝手に右を向いてしまう」
「まっすぐにしようとしても、また傾いてしまう」
「この状態がずっと続くのではないか」
症状が長く続くと、「自分の努力が足りないのでは」「気持ちの問題なのでは」と自分を責めてしまうこともあります。
しかし、ジストニアは単に意思や努力の問題として考えるものではありません。
今回は、「脳の可塑性(かそせい)」という考え方を中心に、感覚と運動の関係や、自宅で身体と向き合う際のポイントについてお伝えします。
ジストニアとは
ジストニアは、自分の意思とは関係なく筋肉が収縮し、身体の一部がねじれたり、一定の姿勢をとったりすることがある運動障害です。
頸部ジストニアでは、
- 首が左右どちらかを向いてしまう
- 首が傾いてしまう
- 前や後ろに引っ張られる
- 自分では首の動きを止めにくい
といった症状がみられることがあります。
こうした症状は、本人の意思の弱さによって起こるものではありません。
脳・神経・筋肉の連携や、感覚と運動の調整などが関係していると考えられています。
今回の動画で伝えていること
今回の大きなテーマは、脳の可塑性です。
脳の可塑性とは?
可塑性とは、簡単にいうと、経験や学習などに応じて脳の働きが変化していく性質のことです。
例えば、ピアノやスポーツの練習、自転車に乗ることなども、脳と身体が経験を重ねながら動きを学んでいく例として考えられます。
こうした変化は、大人になってからも起こる可能性があります。
ジストニアでは、感覚と運動の調整に変化が生じ、特定の姿勢や動きが繰り返されることがあります。
そのため、筋肉の緊張だけを見るのではなく、「自分の首の位置をどのように感じているのか」「どのような感覚が身体から入っているのか」という点も含めて考えることが大切です。
ただし、脳に可塑性があるからといって、必ず症状が改善するという意味ではありません。
症状や経過には個人差があるため、医療機関での診断や治療を受けながら、ご自身に合った方法を考えていくことが大切です。
ジストニアで注意したい体の反応
軽く触れると楽になる「センソリートリック」
ジストニアの方の中には、
- 顎に軽く触れる
- 頬に手を当てる
- 後頭部に触れる
- 壁に軽く寄りかかる
などによって、一時的に首の向きや緊張が変化する方がいます。
これは、「センソリートリック(感覚トリック)」と呼ばれる現象です。
強い力で首を戻しているわけではなく、軽く触れることで変化する場合があります。
身体から入る感覚情報と運動との関係を考えるうえで、特徴的な反応のひとつです。
鏡で首の位置を確認する
「自分ではまっすぐだと思っているのに傾いている」
「まっすぐにすると、逆に違和感がある」
このように感じる方もいます。
動画では、鏡を見ながら自分の首の位置を確認する方法を紹介しています。
目から入る情報も利用しながら、無理のない範囲で現在の首の位置を確認していきます。
やってはいけない可能性がある対応
特に注意したいのが、首を力ずくでまっすぐにしようとすることです。
「曲がっているから戻さなければ」と考えて、強い力で首を押したり、無理に長時間まっすぐな姿勢を維持したりすると、緊張や不快感が強くなる場合があります。
動画で大切にしているのは、
「小さく・やさしく・繰り返す」
という考え方です。
最初から「完全にまっすぐにする」ことだけを目標にする必要はありません。
痛みや緊張が強くなる場合には無理をせず、医師や専門家に相談してください。
自宅で気をつけたいこと
自宅で首の状態を確認するときは、頑張りすぎないことが大切です。
動画では、次のようなポイントを紹介しています。
- 鏡を見ながら少しだけ首の位置を確認する
- 呼吸を止めない
- 肩の力を抜く
- 首だけで頑張らない
- 一瞬でも楽な位置を探してみる
- 数秒でも力が抜ける感覚を確認する
大切なのは、「長時間まっすぐにできたか」だけで判断しないことです。
「この位置は少し楽だった」
「数秒だけ首や肩の力が抜けた」
「この動きなら負担が少なかった」
こうした小さな変化も、自分の身体を理解するための大切な情報になります。
セルフケアによって痛みやこわばりが強くなった場合は、無理に続けないようにしましょう。
やぎはし整体院で大切にしている考え方
やぎはし整体院では、頸部ジストニアを「硬くなった筋肉だけの問題」として見ないことを大切にしています。
首だけを見るのではなく、
- 身体の感覚
- 姿勢
- 呼吸
- 肩や体幹の使い方
- 日常生活での動作
- 症状が強くなりやすい場面
なども確認しながら、その方の状態に合わせた対応を考えていきます。
また、ジストニアでは、ボトックス治療や内服治療など、医療機関での専門的な診断・治療も重要です。
必要に応じて医師と相談しながら、身体の使い方や日常生活について一緒に考えていくことを大切にしています。
まとめ
頸部ジストニアが長く続くと、
「もうこの首の向きは変わらないのではないか」
と不安になることもあると思います。
まず知っていただきたいのは、ジストニアは努力不足や気持ちの弱さで起こるものではないということです。
そして脳には、経験などに応じて変化する「可塑性」という性質があります。
ただし、可塑性があることと、症状が必ず改善することは同じではありません。
最初から完璧な姿勢を目指すのではなく、
- 少し楽に感じられた
- 数秒だけ力が抜けた
- この姿勢なら負担が少なかった
といった小さな変化にも目を向けてみてください。
焦って首を無理に戻そうとせず、ご自身の状態に合わせて無理のない範囲で取り組むことが大切です。
頸部ジストニア・痙性斜頸でお悩みの方へ
頸部ジストニアや痙性斜頸による首のこわばり・ねじれ・傾きが続き、日常生活でお困りの場合はご相談ください。
やぎはし整体院では、医療機関で治療を受けている方についても、現在の症状や生活上のお悩みを確認しながら、身体の感覚や動かし方について一緒に考えていきます。
「何をすると楽なのかわからない」「セルフケアの方法に迷っている」という方も、お気軽にお問い合わせください。
あわせて読みたい記事
- 頸部ジストニア・痙性斜頸とは?症状や特徴について
- ジストニアで首を無理に動かしても大丈夫?
- センソリートリックとは?軽く触れると首が楽になる理由
- ジストニアのセルフケアで気をつけたいこと
注意事項
※本記事は、動画内容をもとにジストニア・頸部ジストニアについて一般の方向けに整理したものです。診断や治療を目的とするものではありません。
症状や経過、適切な治療方法には個人差があります。
現在受けている治療や内服薬などを自己判断で中止・変更せず、治療については主治医へご相談ください。
また、セルフケア中に痛みやこわばりが強くなったり、普段と異なる症状が出たりした場合は無理に続けず、医療機関へご相談ください。
初めての方へ
私たちはあなたの健康をサポートし、痛みや不調を解消するお手伝いをします。
院内の雰囲気や施術内容をご覧いただき、お気軽にご質問やご予約をお待ちしています。
料金
料金を詳しく知りたい方は、こちらへどうぞ


