理学療法の役割と具体的な練習を解説
ジストニアのDBS(脳深部刺激療法)手術後に、なぜリハビリが必要になることがあるのでしょうか。姿勢・歩行・身体の使い方が残る理由や、術後のリハビリ、医療機関との連携について解説します。
ジストニアや痙性斜頸でDBS(脳深部刺激療法)を受けたあと、
「首は動きやすくなったけれど、姿勢が安定しない」
「手術をしたのに、なぜリハビリが必要なの?」
と感じる方もいらっしゃいます。
DBSによって不随意運動や筋緊張が軽くなっても、姿勢・歩行・身体の使い方まで自動的に整うとは限りません。
この記事では、DBS後のリハビリの役割や注意点について、動画の内容をもとにわかりやすくお伝えします。
ジストニアとは
ジストニアは、自分の意思とは関係なく筋肉が収縮し、身体の一部がねじれたり、傾いたり、特定の姿勢が続いたりすることがある状態です。
頸部ジストニア・痙性斜頸では、
- 首が横を向く
- 首が傾く
- 頭が後ろへ反る
- 首や肩に緊張を感じる
- 特定の方向へ動かしにくい
などの症状がみられることがあります。
DBS(脳深部刺激療法)とは
DBSは、脳の深い部分に電極を留置し、電気刺激によってジストニアに関係する脳内ネットワークの働きを調整する治療です。
不随意運動や異常な姿勢の軽減を目的として行われます。
ただし、DBSを受ければすぐにすべての動きが整うとは限らず、刺激開始後に徐々に変化がみられる場合もあります。
今回の動画で伝えていること
大切なのは、
「DBSで症状が軽くなること」と「身体を日常生活でうまく使えるようになること」は、必ずしも同じではない
ということです。
首のねじれや身体を引っ張る力が軽くなっても、
- 歩き方
- 立ち上がり方
- 頭や身体の位置感覚
- 仕事や家事での身体の使い方
まで同時に変化するとは限りません。
長期間ジストニアが続いていた場合、関節の動かしにくさ、筋力や持久力の低下、以前の姿勢や動作の習慣などが残っている可能性があります。
そのため、DBS後は「何が変わったのか」「何に困っているのか」を確認しながら、リハビリを考えることが大切です。
リハビリが必要=DBSが失敗ではありません
「手術をしたのに、まだリハビリが必要なの?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、リハビリが必要だからといって、それだけでDBSがうまくいかなかったという意味ではありません。
DBS後の身体の状態を、「歩く」「働く」「家事をする」といった実際の生活につなげていくことも重要になります。
ジストニアで注意したい体の反応
DBS後に、
「まっすぐのつもりなのに身体が傾いている」
「首は楽になったのに歩きにくい」
「気づくと以前の姿勢に戻っている」
と感じることがあります。
これは単純に努力不足ということではありません。
長期間の症状による、
- 頭や身体の位置感覚
- 筋肉や関節の状態
- 身体を傾けるなどの代償動作
- 姿勢の習慣
- 動くことへの不安
などが複雑に関係している可能性があります。
首だけではなく、身体全体の状態を確認することが大切です。
やってはいけない可能性がある対応
身体の傾きが気になるからといって、首を力ずくでまっすぐにしたり、強くストレッチしたりすることには注意が必要です。
頭だけではなく、骨盤・体幹・肩甲骨など身体全体のつながりを見ながら、無理の少ない動きを考えます。
また、鏡や動画を使って姿勢を確認する方法もありますが、見ることで症状や不安が強くなる方もいます。
すべての方に同じ練習が適しているわけではありません。
DBSの刺激設定についても自己判断で変更せず、姿勢・歩行・発声・飲み込み・バランスなどに変化を感じた場合は、DBSを担当する医療機関へ相談してください。
自宅で気をつけたいこと
DBS後のリハビリは、長時間頑張ればよいわけではありません。
症状を強くしない範囲で、短時間の練習を生活の中で繰り返すことがポイントです。
状態に応じて、
- 鏡や動画で身体の位置を確認する
- 骨盤・体幹・肩甲骨を含めて姿勢を考える
- 無理のない範囲で重心移動や歩行を練習する
- パソコンや料理など、実際に困っている動作を練習する
といった方法があります。
頸部ジストニアでは、頬や顎などに軽く触れると一時的に動きやすくなる「感覚トリック」がみられることもあります。
ただし個人差があるため、無理のない範囲で行いましょう。
やぎはし整体院で大切にしている考え方
やぎはし整体院では、DBS後の方について「首だけ」を見るのではなく、
- どの動きが楽になったか
- どこに動かしにくさが残っているか
- 姿勢や歩行がどう変化したか
- 仕事や家事で何に困っているか
- 何をできるようになりたいか
などを確認しながら、身体全体の状態を見ていくことを大切にしています。
目標は「首をまっすぐにすること」だけではありません。
歩く、働く、家事をする、人と会う、趣味を楽しむなど、実際の生活につなげていくことも大切です。
DBSを受けている方は、医療機関での治療と切り離して考えず、担当医やDBSを管理している医療機関と相談しながら進めることが重要です。
まとめ
DBSによってジストニアの症状が軽くなっても、長期間続いていた姿勢や身体の使い方、歩行、位置感覚などに課題が残る場合があります。
そのため、「手術をしたのにリハビリが必要なのはおかしい」と考える必要はありません。
大切なのは、現在何ができるようになり、何に困っているのかを確認することです。
DBS後の状態には個人差があります。焦らず、ご自身の状態に合わせながら一つずつ生活につなげていきましょう。
DBS後の姿勢や身体の使い方でお悩みの方へ
DBS後に、
- 首は動きやすくなったのに姿勢が安定しない
- 歩き方や身体の使い方に違和感がある
- 日常生活でどう身体を使えばよいかわからない
といったお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
やぎはし整体院では、医療機関での治療状況も確認しながら、現在の姿勢や動き、生活上のお困りごとを整理し、状態に合わせた無理のない対応を一緒に考えていきます。
※本記事は動画内容をもとに、ジストニアやDBS後のリハビリについて一般の方向けに整理したものです。診断や治療方法を決めるものではありません。
DBSの刺激設定、薬物療法、手術後の治療方針については、担当医・医療機関へご相談ください。
紹介した運動やセルフケアがすべての方に適しているわけではありません。症状が強くなる場合は無理に行わず、医療機関や専門家へご相談ください。
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