胸郭出口症候群を治療する
胸郭出口症候群とは?
胸郭出口症候群とは、首から腕にいく神経と血管が、筋肉や骨に圧迫されて症状が出る病気です。
症状としては、以下のような症状が見られます。
- 上肢痛
- 上腕のしびれ
- 頸肩腕痛
- 手指・腕のしびれ(尺側が多い)
- 熱・冷感、脱力感、頚部・肩・肩甲間部・前胸部のうずくような痛み
- 腕は蒼白となり、痛みが生じる
- 手・腕はチアノーゼ様になり重苦感を生じる
- 自律神経症状として目眩、耳鳴、視力障害、眼疲労性、発汗、流涙など
専門的には、圧迫を受ける原因によって、診断名が異なります。
原因としては、第7頚椎から出ている頚肋あるいは第7頚椎横突起があげられています。
また頚肋から起始し胸郭出口を横切る異常な線維性索状物も圧迫の原因となります。
また、胸の筋肉の小胸筋や首の筋肉の斜角筋が原因になることもあります。
それぞれ斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群といいますが、これらをまとめて胸郭出口症候群と総称しています。
本症は首が長く、なで肩の女性(男性の2~3倍)に多く、20歳代にピークがあると言われています。
一般的な胸郭出口症候群の治療
一般的には薬で治療します。
抗炎症剤の投与に加え、症状を悪化させる日常生活動作を避けるように指導します。
重症例には通常経腋窩進入による第1肋骨切除術を行なったり、頚肋には頚肋摘出手術、前斜角筋切除術を行うことがあります。
しかし、臨床上、手術はほぼ必要なく、保存療法で治療が可能と言われています。
当院の胸郭出口症候群に対する整体
①胸郭出口に関わる関節の調整
胸郭出口に関連するポイントは頚椎、胸椎、肋骨や鎖骨、首の前の筋肉です。
これらに問題があると、手や指にしびれや痛みや自律神経症状を引き起こします。
まず、胸骨と鎖骨で構成される胸鎖関節は、肩甲骨の動きに影響する大事な関節です。
特徴は、鞍関節と呼ばれる、上下・前後・回転運動と多方面に動く関節で、これら全ての動きを調整します。
次に、胸鎖関節の下にある、胸骨と肋骨で構成される胸肋関節も胸鎖関節と同じように調整します。
次に、肩甲骨と肩の動きにも関連する肩鎖関節を治療します。
この関節の動く幅は小さいですが、腕や肩の痛みに大きく関連するため、そのわずかなズレや動きづらさを逃さず感じ取り、調整します。
次に、肋骨と胸椎で構成される肋横突関節を調整します。
これは、肩周囲の症状と密接な関係がある大事な関節です。
さらに、頚椎の動きを治療します。
これは首や肩などの痛みやしびれの関係はもちろん、自律神経症状を引き起こしやすいため、とても大事な関節です。
②胸郭出口に関わる筋肉の調整
次に、トリガーポイントと呼ばれる筋肉のこわばりが腕のしびれを引き起こす場合があります。
そのため、首周りの筋肉の硬さを取り除きます。
このように、胸郭出口症候群と診断されても、実はこれらの様な関節や筋肉が原因で痛みやしびれ、自律神経症状がおこっている場合が多いです。