先天性股関節脱臼が股関節痛に関与する
先天性股関節脱臼とは?
股関節の発育が不十分で脱臼しやすい状態を言います。
一般的に骨盤が大腿骨の受け皿の役割を果たしており、骨盤は大腿骨の先端を覆うようにできていますが、大腿骨を覆う部分が小さくなっていると脱臼しやすくなってしまいます。
(臼蓋形成不全)
発生率は0.1~0.3%で1:5~9の割合で女子に多いと言われています。
また、初産時に多いと言われております。
先天性股関節脱臼となる要因
①遺伝
同一家族内に発生しやすいと言われております。
②出産直前の関節弛緩
出産しやすいように関節を緩めるホルモンが分泌され過ぎると生じます。
③力学的要因
- 子宮内の胎児の異常姿勢
- 出産時の問題
- 出生後の育児における問題(膝関節と股関節を無理やり伸ばす)
例)
- おむつカバーのバンドの幅が広く、股関節の開排ができない
- 股関節を外から押さえつける抱き方でので、股関節が伸展、内転位になっている
先天性股関節脱臼の経験があると?
このような既往があると、将来、変形性股関節症に移行する可能性があります。
そのため、股関節痛が生じた方の問診には、この先天性股関節脱臼の確認が重要になります。
また、股関節の受け皿が少なく、負担がかかりやすいため、変形が進みやすく、手術になる可能があり、大変大がかりなことになることがあります。
しかし、きちんと股関節の整体をすることで、先天性関節脱臼を経験したことがある方でも手術せずに、日常生活を快適に過ごすことができるようになります。